株式投資には様々な手法がありますが、投資初心者におすすめしたいのはインデックス投資です。
インデックス投資とは、指数(インデックス)と同じ値動きを目指している投資信託に投資することをいいます。
また、短期ではなく、10~20年と長期的に投資をすることが大切になります。
インデックス?
聞いたことはあるけど、よくわからないよ~
大丈夫!
この記事を読めば、インデックス投資とは何かを理解できるようになるよ!
これから資産運用を始める初心者の皆さんでも、インデックス投資の始め方がしっかりと理解できるようになります。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、個別の企業を選んで投資するのではなく、代表的な指数(これをインデックスと呼びます)に連動した値動きをする投資信託に投資することです。
指数(インデックス)には以下のようなものがあります。
・日経平均株価(日経225)
・TOPIX(東京株価指数)
・東証REIT指数
・S&P500
・NYダウ
例えば、日経平均株価と同じ動きを目指すなら、225社の株を買う必要があるってこと?
さすがに個人で225社の株を1つずつ買うのは大変ですよね。
そこで、投資信託(ファンド)っていう仕組みを活用します。
投資信託(ファンド)の仕組み
投資信託(ファンド)とは、たくさんの投資家から集めたお金を、私たちの代わりにプロが運用してくれる商品です。
投資信託の種類によって、「どの国に投資するか」、「どんな成績を目指すか」等の運用方針が異なり、利益が出たら、その一部を分配金として投資家に還元する投資信託もあります。
初心者の人に投資信託をおすすめする理由は4つあります。
・プロが運用してくれる
・毎日基準価額が公表されるため、透明性が高い
・少額から始められる
・投資先を分散できるため、資産がゼロとなるリスクが極めて低い
ただし、以下の注意点も知っておく必要があります。
・運用手数料がかかる
⇒ 運用会社に支払う手数料が発生するため、運用益が全て還元されるわけではない
・元本保証ではない
⇒ 運用成績が悪く、損失を出す可能性もある
プロが運用してくれると言っても、確実に利益が出るとは限りません。投資信託は元本が保証された金融商品ではないということです。
投資の世界において、元本保証や運用実績の黒字を約束する金融商品は存在しません。もし元本保証を売りにしている金融商品を見かけたら、詐欺の可能性が高いので騙されないように十分に注意しましょう。
投資において、そんな美味しい話はないということだね。
インデックスファンドはアクティブファンドより成績が良い!?
ところで、投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があるって聞いたけど、どっちがおすすめなの?
おすすめはやっぱりインデックスファンドだね!
投資信託には、大きく分けて次の2種類があります。
・インデックスファンド:指数に連動することを目指す投資信託
・アクティブファンド:指数に勝つことを目指す投資信託
たとえインデックスファンドであっても、指数とは完全に同じ値動きにはならないので注意しましょう。これは運用する上で様々な手数料がかかっているからです。
一方で、せっかく手数料を払ってプロに運用を任せるのだから、指数を上回る運用成績を期待する人もいるでしょう。そんな人向けの、指数に勝つことを目指したファンドがアクティブファンドです。
指数を上回る運用と聞くと、アクティブファンドの方が良いと思うかもしれませんが、インデックスファンドより良い成績を出し続けられるアクティブファンドは多くありません。
投資期間が長くなるほど、アクティブファンドはインデックスファンドに勝ちにくいというデータがあります。長期にわたって、良い成績を残せるアクティブファンドを見つけられる人は少ないはずです。
そのため、投資初心者はそんな数少ないアクティブファンドを探すより、着実にインデックスファンドに投資するのがおすすめなのです。
つみたてNISAを活用してドルコスト平均法で積み立てよう
投資信託の中でも「初心者にはインデックスファンドへの投資がおすすめ」とわかっていただけたでしょうか。
そこで、以下のようなことを思う方もいるでしょう。
何かお得な制度はないの?
具体的にどう買えば良いか知りたい!
そこで、つみたてNISAという制度を活用することをおすすめします。
さらに、ドルコスト平均法という方法を使って積み立てていきましょう。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは、NISA制度(少額投資非課税制度)の一つであり、投資して得られた利益を非課税にできる制度です。
例えば、一般の証券口座で運用して100万円の利益が出た場合、100万円の利益に対して約20%の税金がかかるため、手元に残る金額は約80万円となります。
しかし、つみたてNISAという制度を活用すれば、得られた利益に対して税金が一切かからないため、100万円が全額手元に残ることになります。
つみたてNISAの概要は以下のとおりです。
・売却益や分配金が非課税になる
・1年間で投資できる金額に制限がある(年間40万円)
・非課税になる期間に制限がある(20年間)
・金融庁によって認められた金融商品のみ取引できる
つみたてNISAをおすすめしたいのは、金融庁に認められた金融商品のみを投資対象にしているからです。
投資の世界には、ぼったくりとも言える手数料が高すぎる金融商品が多くあります。しかし、投資初心者はそのような商品が悪い商品なのか良い商品なのか判断できませんよね?
つみたてNISAの対象ということは、金融庁ぼったくり金融商品を排除してくれた後の優良な商品のみに投資できるため、商品選びで大きな失敗をすることがなくなるのです。
ドルコスト平均法を活用した積み立て
実際に投資をするなら、なるべく安い時に買って、高い時に売りたいと考える人が多いでしょう。
しかし、将来の価格は誰にも分かりません。そのため、最高のタイミングで売買することはできません。避けるべきことは、持っているお金を全部まとめて投資した直後に、リーマンショックやコロナショックのような暴落に巻き込まれることです。
そんな状況になったら気絶してしまうカモ・・・
そうならないために、ドルコスト平均法で積み立てるのがおすすめです
ドルコスト平均法とは、持っている資金を一気に投資するのではなく、時期を分散させて投資をすることです。
例えば、60万円の資金を持っていたとします。この60万円を1回のタイミングで全額投資するのではなく、5万円ずつ12ヶ月に分けて少しずつ投資をします。
時間を分散させることで、割高な時期に買うこともありますが、割安な時期にも買うことができるため、平均取得単価を下げることができるのです。いわゆる高値掴みを避けることができるようになります。
そのため、投資を始めるのにベストなタイミングは、始めようと思った時が最適なのです。将来の相場は誰にも分からないので、初心者はドルコスト平均法でコツコツと積み立てていきましょう。
おすすめのインデックスファンド6選
さて、皆さんはインデックスファンドに投資してみようと思ったでしょうか?
次に出てくるのが「どの商品を買ったら良いのか?」という悩みでしょう。ここでは、以下の6つのおすすめインデックスファンドを紹介します。
米国株式に投資するおすすめのインデックスファンド
米国株式に投資をするならS&P500という指数に連動するファンドがおすすめです。S&P500とは、米国で時価総額の大きい主要500社の株価をもとに算出される株価指数です。過去のデータから、15年以上保有していれば、ほぼ100%収益がプラスになっています。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
どちらも買付時の手数料が無料です。また、信託報酬も低コストなため、長期間コツコツと積立投資をしたい人におすすめです。長期投資を前提としていますので、信託報酬が少しでも低いものを選ぶのが鉄則となります。少しの差が将来大きな差となります。
S&P500よりも、さらに広く分散投資をしたいなら、米国全体に投資するインデックスファンドもおすすめです。具体的には、時価総額の小さい企業も含めた米国の4,000社に投資ができる以下のファンドです。
楽天・全米株式インデックス・ファンド
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
こちらも買付時の手数料が無料で、信託報酬も低コストなため、S&P500より幅広く米国に投資したい人におすすめです。ちなみに、紹介した4つの投資信託の信託報酬には、大きな差はありません。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):年0.0968%
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:年0.0938%
楽天・全米株式インデックス・ファンド:年0.162%
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド:年0.0938%
※2022年7月時点
全世界株式に投資するおすすめのインデックスファンド
もし、米国や日本など特定の国に集中して投資するのが不安な方は、全世界株式に投資するファンドがおすすめです。具体的には以下2つのファンドになります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動
小型株を含まない約3,000銘柄に投資
信託報酬は年0.1144%
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動
小型株を含む約8,000銘柄に投資
信託報酬は年0.212%
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの方が、幅広い銘柄に分散されていることが分かります。しかし、分散するほど成長性が低い企業も含まれるので、必ずしも分散すれば良いとは言えないということも理解しておきましょう。
また、全世界株式と言っても、中身を確認すると米国企業が多くを占めていることがわかります。全世界均等に分散されているわけではないので注意しましょう。
結局、米国株式と全世界株式のどっちが良いの?
どちらかが正解というのはありません。
完全に好みで決めれば良いと思います。
全世界株式と米国株式のどちらのインデックスファンドもおすすめしています。それぞれの特徴をしっかり理解した上で、皆さんが好きな方に投資すると良いでしょう。
暴落へはどうやって備える!?
インデックス投資は、相場の状況に合わせて売買のタイミングを図ることなく積み立てていくため、暴落による損失をすぐに取り戻すのは難しいくなります。
そのため、暴落によって資産が減ることに耐えられず、損切りをしてしまう人も多いです。しかし、たとえ暴落が起こって資産が目減りしても売らずに、保有し続ける(ガチホする)ことをおすすめします。
・株式は約200年の間に2,800万倍に成長している
・15年以上投資を続ければプラスになる可能性が高い
・弱気相場は平均11カ月、最長で30カ月
・1789年以降株価は最高値を更新している
・株価の大幅上昇は暴落直後に起こりやすい
・世界経済は成長し続けている
長期的な資産運用では、皆さんも極めて高い確率で暴落を経験することになるでしょう。だいたいですが約10年に1度くらいは暴落が発生しています。
初めて暴落を経験したときはパニックになることも予想されます。だからこそ、暴落に対する知識や心構えを今のうちからしっかり学んでおくことが大切です。
まとめ:投資初心者におすすめのインデックス投資
今回の記事では、初心者におすすめのインデックス投資について解説しました。指数には様々な種類がありますが、指数に合わせて一つひとつの株式を売買するのは大変なので、投資信託を活用していきましょう。
投資家から集めたお金を、プロが代わりに運用してくれるんだよね!
投資信託の中には、指数に勝つことを目的としたアクティブファンドもありますが、インデックスファンドに長期的に勝ち続けることは難しいことがデータから分かっています。そこで、初心者は以下のようなインデックスファンドに投資しましょう。
米国株式
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
・SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
全世界株式
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド
また、上記のインデックスファンドは、全てつみたてNISAの対象になっています。つみたてNISAとは、NISA制度(少額投資非課税制度)の一つであり、金融商品から得られる利益を非課税にできる制度です。
・売却益や分配金が非課税になる
・1年間に投資できる金額に制限がある(40万円)
・非課税になる期間に制限がある(20年間)
・金融庁によって認められた金融商品のみ取引できる
つみたてNISAは、コツコツと資産を増やすために非常に有効な制度の一つです。さらに、ドルコスト平均法で積み立てることで、暴落直前に一括投資をして、大きく損失を被ることもありません。
仮に暴落が起きたとしても、インデックス投資では短期間で損失をカバーできません。だからこそ焦って売るのは避けましょう。インデックス投資の基本は「長期投資」だからこそ、コツコツと投資を継続することが大事なのです。
まだ証券口座を持っていない人は、まずはネット証券(楽天証券とSBI証券がおすすめ)で証券口座を開設しましょう。資産運用は早く始めるほど有利になります。口座開設は無料で、つみたてNISAも同時に申し込めるので、さっそくインデックス投資を始めてみましょう!